建築行脚

ラ コリーナ近江八幡

少し前に打ち合わせついでに近くのラ コリーナ近江八幡へ行ってきました。ずっと気にはなっていたのですが、まぁようやく行く時間が取れたので。

 

行ってみると団体客もいたりととても賑やかな様子。さっそく建物を散策。ここは建物だけはなく、そのランドスケープも見もの。

駐車場から建物へのアプローチも良い感じです。どこに停めても同じようにまず建物全景を遠景に見てアクセスするようになっています。それゆえに停めた場所から遠いとか近いとか、そのような差がありません。機能的にもゾーニング的にも良い感じでした。

ちょうど緑化屋根の散水の時間だったのか、屋根からの水が滴り落ちてきていて、その水音が初夏に涼しさをもたらしてくれていました。藤森建築らしい素材の表情やざっくりとしたディテール、どこもかしこもついつい触りたくなる質感など、とても心地よい体験でした。

人を包む建築とはこんな感じでおおらかでありたいものです。僕は設計においてつねに細部にこだわりますが、その細部が主張するような建築はつくりたくないと思っていたりもします。細部にこだわりすぎで全体がボヤけるようなことでは本末転倒だと思うのです。藤森建築はただおおらかなだけのように見られがちですが、以外と緻密な計算によって成立しているように感じます。おおらかな全体を支えるための細部であり、細部の集積の結果のおおらかさを作り出しているような。そこが見えるから体験として心地よいのでしょう。

中央の水田はまだ植えたてでしたが、稲穂が実る頃にまた訪れてみたいと思います。それぞれの時間ごとの様々な表情を期待してしまう建築でした。